「八日目の蝉」 角田光代
2008.02.27



いつも、
「なんか、面白い本があったら教えてねぇ」
と言い合っている友人から、
「面白い本あったよ、八日目の蝉。買ってないなら貸すよ」
とメールがきた。


「★いくつぅ?」
私は友人に聞いた。
「3つかな」
返信がくる。


★3つは素晴らしい!、、、、
ミシュランじゃないけど、私たちは小説の感動を★の数で知らせあう。

最近には珍しい★の数の多さに、
読む前からワクワクしてきた。二人とも★3つがついたのは、なにせ、「チームバチスタの栄光」以来なんだもの。
早速、うちの本棚をみてみると、「八日目の蝉」がちゃんと買ってある。
買ってあるといっても、
私が本屋さんで買っていたのだ。
面白そうだなと思った本は、本屋で大量に買い、うちの本棚の未読書コーナーに収まっている。
買ったことも忘れていた私は、
なんか得した気持ちになって、
「八日目の蝉」を読み始めた。

いやいやいやいや、
ページをめくるのが惜しい、とさえ思える。
な、な、なんだ、この本。面白すぎる。


フィクションという小説の世界なのに、
希和子と薫が、うちのそばに潜んでいるかもしれない、などの錯覚を覚える。
二章、と目に入ったときは、参った、
作者の構成のうまさに、
舌包みをうった。
薫が恵理菜として、すべてに違和感を持ちながら生きている。

小説は、こうじゃなきゃね、、、、
活字という平面から三次元、ときには四次元の世界へと、
読者を連れていってくれなきゃ、、、ネ!
と、私は、思う。




仕方のないことが世の中には必ずあって、
それを理性でも感情でも整理ができず、
気がつけば本能のまま生きてしまった女性に
愛情が持てるのは、
自分の中にも止められない本能があるのだと共感したのかもしれない。

人間の真の愛を考えさせられた。
やるせない男女たちが、いとおしくなった。










じゃれあう猫

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