ほんを読んだり、映画を観たり、勝手に言ちゃいます

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NEW
「怒り」
吉田修一著



ラストは泣かされました。
泣くと思っていなかったので、
そんな自分に驚く。
犯人の動機は最後まで分からなかったことが、
多少欲求不満ではあるけれど、笑、
この小説は、
犯人に焦点を合わせていない、犯人は客観的に描かれている。
事件とは関係のないところで
それぞれの人が必死で生きている姿が
愛おしい。



今まで感じたことのない読後感、
「信じているから許せなかった」
と言う辰哉のラストのセリフまで、
きっとあなたも、
捲るページを止められないだろう、、、ナ!
わたしも、
人を信じる意味、
もう一度考えてみよう。





2015 Spring










「まぐだら屋のマリア」
原田マハ著



久々のカッテカッテ更新です。
このコーナーでまた楽しんでくださいね。
さて、
この10日間の間に、
4冊同時読み!
その中でも、私の心にズドンと落ちてきた本は、コレ、まぐだら屋のマリア。


「この世界は、なんと多くの負の感情に満ちていることだろう」と感じる主人公の紫紋くんが、明日への第一歩を踏み出していく物語だけれど。
なんとも、淡い色の哀しさに包まれた物語。なのに、赤々と燃える負の感情が私の心を揺さぶる。
皆が、スネに傷持つ人生を背負っていて、
だからこそ人の痛みが分かる。


同時読みの本の中には、同作者の「太陽の棘」も読んだが、
これはお得意の“絵画”を通しての友情の物語。
絵画好きには、興味津々。
ワタシ思ったんだけど、
まぐだら屋では、料理が美味しそうに描かれているけれど、
マハさんの手にかかると、
料理も絵画も、同じだと感じた。
うまく説明できないけれど、
絵画であれ料理であれ、それらが、登場人物の心を描いているような、、、
そんな感じ。


いい本に出会えて、
幸せな秋、ど真ん中。




2014 November










祈りの幕が下りる時
東野圭吾著



本屋さんで、
東野さん新刊みっけ!
ラッキー!
と喜び手に取る。
フムフム。
不思議なタイトルだなと思いながら、
台風の最中、
大阪にて完読!
(不思議なタイトルも、読み終えれば、ストンとふに落ちる。
というか、このタイトルありき、これ以外は考えられない)




しかし、
東野圭吾という作家さまは、
世の中に5人くらいいらっしゃるのではないかと思うほどの(笑)、本の数。
凄すぎ!
そして、
読者をけっして裏切らないところが、
またなんとも憎い。




「信用できない。なにせ、女優だからな」
という台詞がさかんに出てきて、
私としては、
内容とは違うところで笑っちゃった(笑)
そっか~
女優は芝居するからな~
信用できないのか~
なんてね(笑)




フィクションとはいえ、
小説の中で、
みんなひとりひとりが、
しっかり必死で生きていた。





September










愛の徴(しるし)」
天国の方角」
近本洋一著



メフィスト賞受賞作の愛の徴、完読!
もぅスゴすぎて、難しすぎて、美しすぎて、もぅ、何て言ったらいいんだろ、
またひとつ、
私の人生に、
宝物をポトンと落としてくれた感じ。




先のカッテカッテでも書いたけど、
スペインの画家ベラスケスって人物を夫から漏れ聞いたばっかりだったから、
愛の徴を読み始め、
いきなりベラスケスが登場したときは、
もう偶然とは思えない衝撃。
導かれてこの本に出会ったんだと思わずにはいられない。
しかも、
私の好きなヴェルサイユ宮殿やヴェネチアなどもでてくるから、
きっと物語の最後には、
ステキなゴールテープが用意されているだろう予感が、
興奮度を増す。





しかし、
量子学が難しくて、
何度も読み返さなきゃ理解できないのだけれど。
なにかに導かれて、
ページはめくられていったわ。




光の花、アイリス、愛し愛されて咲く花。真実と実体を結びつける絆、それは赤ちゃん。アイリスが示す真実。それが天国の方角。魂が環になり繋がっている、って、
てなこと書いても、
分かんないよね。
花がアナ。
グスタフがギュスターヴというオマケもついて(読んだらわかるよ笑)、
感動の一冊となりました。




余談だけど、
ベラスケスがアナに、
「人はほとんどの場合、いやほぼ必ず、自分の知る事のみを見る。誰もが既に知る事を確認するばかりで、自分の眼に映ったものを見たりはしないんだ。だから、(真実に)気づかない」というくだりがあった。
深い。
確かに。
知りえる知識だけで人は考えるから、
自分の目で見たものに真実を見いだせないときもある。




早くロンドンに行って、
ナショナルギャラリーで、ベラスケスの絵画を、
知識ではなく、
自分の目で見たいな、と、切に思う。




(アイリスとは私たちの瞳を彩る虹、光の花、光は瞳に届いてそのすべての意味を私たちに明らかにする、んだそうだ、私にはちょっと気分のいいお話)
瞳(だけにぃ)(笑)
September










「ママンラマン」
佐藤亜有子著



アランイカン
みたいな内容
(ダジャレすみません)




男の子は年上の女性に惹かれると聞くけれど、
こんな甘美な世界は、
映像より小説のほうが陶酔できますね。
ほんのひととき幻想の世界に浸り、
本を閉じると、
まだ暑い夏の終わりが私を待っている。
ほんのひとときの癒しの時間。
読書は私を異次元の世界に連れていってくれる。
どこでもドアみたく(笑)





August夏の終わりに










「シヴェルニーの食卓」
原田マハ著



楽園のカンヴァスの匂い漂う、私の好きな世界観、空気感。
巨匠画家たちの軌跡が、
蜃気楼のように、
私の目の前でユラユラ揺れる。




ピカソでいうなら、
恋人のジャクリーヌも生身の人間として、
物語では登場する。
黒い瞳がどこまでも黒く濡れていると表現されて。
私の知っているジャクリーヌの版画も、
黒い瞳が黒く濡れている。我が夫は、
「あなたによく似ている」と、
言う。




「ゴヤって印象派の画家を知ってる?」
と、
夫に聞いてみたら、
絵画は知らないけれど、
子供のときに母親に連れられてスペイン絵画展に行ったそうな。
それが、
ゴヤ、グレコ、ベラスケスだったそうな。
名前だけは印象に残っているって。
私はゴヤっていうと、
昔々に演じたシブーレットという舞台で、
「ゴヤの絵から抜け出したみたいですって。スペイン女って言われたほうがまだましだわ」
という台詞があったから、ゴヤという画家の名前を知っていたんだけど。
物語を知ると、
早くゴヤの絵を見てみたい、と、
思ってしまう。




マティスもピカソもモネもゴヤも、

この本を開くと、
鮮やかに生きている。






August 内容には不似合いなほど、晴れ










「襲名犯」
竹吉優輔著



江戸川乱歩賞受賞のこの本を本屋さんで手にとり、
なにかが起こるであろう
1ページめを流し読み。
なんだろ、この不快さと期待感。
どんな世界が待ち構えていようと、
作家が目指すものに、
触れたいといういち読者の期待は高まる。




人それぞれの人生って、
こうなってしまう運命、宿命?
それが繋がり、
なにかが生まれることもあれば、
悲惨な渦に巻きこまれることもある、
人、人、人。
世界中に自分一人っきりだったら、
こんなことは起こらない。




主人公の仁が、
かわいく思えたのが、
なによりの安らぎ。




これまた一気読み。
なかなか犯人にたどりつけない楽しみも、
おまけ、かな。
それもまたある意味、
読書好きにはめちゃ楽し。






August 博多にて










「さよなら、愛しい人」
レイモンド・チャンドラー 村上春樹訳



久々の翻訳物を手にとる。キャラクターにしろ、
情景にしろ、
心情にしろ、
なにひとつ欠けたものがなく、
まるで映画を観ているような気分になる。




台詞ひとつひとつのなんてシャレていてニクいことか。
フィリップマーロゥなる大変タフな探偵に、
惚れちまうやろ、
危ない危ない、笑、と思いながら、
本を閉じたのでありました。





August 雨の日に










PHP
三浦雄一郎記事より



この雑誌に詩を連載していたご縁もあり、
今月号も早速目を通す。
その中で、
三浦雄一郎さんの取材記事にえらく感動してしまった。




「歳を取れば、できないことが増えてくる。それは当たり前。
しかし、できないことを決めるのは他の誰かではない。それを決めるのは、自分自身なのだ…」
というのは彼の弁。
70のときも75のときもそして80のときもエベレストの頂上に。
「自分にはもう無理だ」
と思ったら、
もうそこで、
夢の幕もきっておとされる。
当たり前のようで、
でもその当たり前を自分の人生に取り入れられないから、
みんな、
もちろん、
私も、
葛藤する。
でも、
この記事を読みながら、
またひとつ、
素晴らしい先輩に出会えたような爽快な気分が持てた。




言葉って、
すごいな。
力になる。





August










夢幻花」
東野圭吾著



む、む、むげんばなにとりつかれて、
暴れてはいませんが、
夢幻花の正体を知りたくて知りたくて、
一気読み!
本屋さんで手にしたときから面白いだろうなぁと思っていたけど、
その予想をハルカに上回る面白さ。




書かれる方やその作品に携わる方々は、
大変な思いをし、長い時間を費やし、
ひとつの作品を産み出してらっしゃるのに、
一気読みとは、
なぜだか気がひけるけど、
アタシラもそうだもんなぁ。
観ていただいたらあっという間だもんなぁなんてことをついつい思ってしまう。




話はそれたけど、
本屋さんで手にとり、
それが面白すぎたときの快感は、
握りこぶしでガッツするわ。





August










正妻」
林真理子著



うーん
と感嘆の声をだす。
上下刊読み終えて。
良い本を読ませていただいたわ。
もうこれは女性必読ものです!



胸に染み入る物語、いや、ある意味、
史実は、
女であることがいかに大変かを、
教え、
そして、
女はもしかしたらこうあるべきなのだと小説が囁いてくれる。
唸るしかない。
アタシは。




美賀子の夫への愛。
慶喜の妻への愛。
愛の形は様々だけれど、
激動の時代に見える、
愛は、
なおさら胸を打つ。





素晴らしい本を読んだあとのシャンパンも、
この物語にはカナワナイ。





August










スノーホワイト]
谷村志穂著



ずーっと年上の女性と
ずーっと年下の男の子との淡~い恋物語。
淡~い気持ちにさせてもらっちゃった(笑)




大人の女性が読んだら、
きっと、癒しになるよ(笑)




年下の男の子と恋をしちゃう江國さんの東京タワーという映画を撮ったのは、
何年前だっけ。
「恋に落ちたんだ」
と言う男の子に、
「恋は落ちりゃいいってもんじゃないんだ」
って言い返したのは、
男の子と恋に落ちた女性の夫。




年下の男の子と恋をすると、
女性はこの先の未来を考えて、恋から逃げよう逃げようとする。
逃げよう逃げようとすればするほど、
男の子は追いかけてくる。大人になればなるほど、
ピュアになっていくのだと、
若者は分からない。
そのあたりが読んでいて心がザワザワしてくるんだけど。
谷村さんは、
あり得ないでしょ~みたいなことを、
さら~っと、
する~っと書かれるから、読者はどきっとしてしまう。





恋は、
小説で。
って、ことで。
ふふ。





August











幸福な生活」
百田尚樹著



時差もあってか、
寝つけなくなった深夜に
幸福な生活を開いた。
クククと笑ったり、
ゾッとしたり、
ゾクッとしたり、
アッチャーとか、
へーとか、
ワーとか、
オチが知りたくて、
最後の章までやめられない。
オチが予測できたのもあったけど、
コウキタカ!というオチには、
唸るか笑うしかない。
どれも面白かったけど、
わたし的に好きなのは、
深夜の乗客でしょ、そっくりさんでしょ、再会でしょ、幸福な生活でしょ、残りものも面白かったな~



というわけで、
寝つけない夜に
余計寝つけない夜にしてくれた作者に感謝とうらみ(笑)



瞳  July










神の手」
望月諒子著



望月さまにハマり
三冊目にして、
遅ればせながらデビュー作神の手を読んだ。
この充実感は読書好きにはたまらない。
謎解きミステリーだけにとどまらない文学というものに触れた快感、
という感じかしら。
これが映像になり演じるなるなら、
恭子しかないっしょ(笑)





瞳  July










ふくわらい」
西加奈子著



3冊立て続けに読んだ本がしんどかった、
しんどかった本に触れるのはやめるとして。
(だって、そのときの気分とか状況とか私の理解力とかもしんどい理由になるしね)
で、
3冊にめげて、
ふくわらいを読み始めたのだけど。
しかもふくわらいは、去年からうちの本棚に鎮座していたのだけれど。
なにげに昨日手にして仕事へ。
で、
いきなり、
はまった。
で、
昼間なのに瞳孔が開いた感じ。
こんな小説読んだことがないだけに不思議な世界を手に入れたような錯覚に陥った。
オソルベシ、
ふくわらい。
って、感じ。
わぉ!



瞳  June  雨の日に










ホイッスル」
藤岡陽子著



愛憎のはてのメロドラマかと思いきや
思いっきり爽快感のある
してやったりのお話に
フフフと笑顔で本を閉じた。
ワタシテキには
ラストに
章の証言なり日記なりの
思いの丈が欲しかったのだけど
(なぜなら、もっともっと読みたかったから)
(なんとなく辛口で終わって欲しかったから)
(あと、
章の死に際とか、和恵のその後の悪さとか、笑、ホイッスルする芳川と涼子の恋とか、その他の人たちの企みを、笑)
知りたかったからかな。




砂時計の終わりにも似た人生の終焉。
人生は勝ち負けではないと伝えたかった作者は、
あえてホイッスルとタイトルをつけたのだろうなと、なんとなく、
思った。
なんとなく、
だけど、

面白かった~




瞳 June










喪失
水田静子著



小説はエッセイよりも己れが出る、と書いてあったのは、
何だったっけ?
いつもは
湖に映るユラユラ揺れる月を書く名ライターが、
月を書いた。
すごい!
大切なものをなくした人と、
大切なものを自らなくした二人の女性。
その痛みが二人を結びつける。
人って、
相手の
瞳という湖に映った
自分という月をみているうちに、
やっと自分自身と向き合えるようになるのね。
そんなこと、
思った。



瞳 June










大絵画展」
望月諒子著



お豆腐にハマルと(食べ物にハマルって変だけど)
朝ごはんは毎日お豆腐。
パスタにハマルと毎朝パスタ。
ハマルと毎日でも構わない私ですが。
読書も同じ。
望月諒子さんなる作家にハマッタ私は、
あらすじを読まないで大絵画展を読み始めたら。
ノッケから、
去年たまたま訪れていたパリの郊外、
オーベルシュルオワーズのラブー邸での
ゴッホ自殺の話から始まったもんだから、
もう大変。
私のアドレナリンは出まくる出まくる。



私が説明するまでもなく、このラブー邸でゴッホは自殺をしたのだそうだけど、その自殺をはかり2日間生きたゴッホの部屋を、
私は訪れた。
二畳もないくらいのみすぼらしいその部屋に1歩
足を踏み入れたとき、
鳥肌がたった。
ものすごい念を感じ、
2歩めの足を踏み出せなかった。
ラブー邸の1階は今はレストランになっていて、
そこで食べた肉の煮込み料理は絶品で、
フランスで食べた料理の中でも、
1、2位を争うといっても過言ではない。
な~んていう私の話はどうでもいいね(笑)




絵画好きの私にはたまらない小説、しかも、ミステリー。
腐葉土と同じく、
幾重にも伏線があるけど、
着地がまるで読めないから、
ページをめくるのが楽しくて仕方がない。
ただただ、
無心に読んだ。
本当に美味しいものを食べたとき、
美味しい、
しか言えないみたいに、
面白い小説を読んだときに、
面白かった~、
しか言えない自分がもどかしいが、
気の利いた言葉よりも真実味があるかも。
これ、
面白かった~




楽園のカンヴァスもそうだけど、
絵画好きにはたまらない小説にまた出会ったわ。
こんど誰か、
私の好きなムンクとか、
フェルメールにまつわる小説を書いてくんないかな~
なんて思う私。




オーベルシュルオワーズはパリから、
そうね車で30分くらいだったか。
街のいたるところに、
ゴッホが書いた絵の風景が、
ある。
教会も役場も田園も。
ラブー邸近くの墓地には
弟と並んで眠っている。
(地球の歩き方みたいな文章になっちまったぜぃ)




瞳 June










「腐葉土」
望月諒子著



どっしりずっしり、
内容も人物も紙もすべて、どっしりずっしり。
腐葉土を読み終え、
多分、
ここで私がなにを書いても、
言葉はただ無機質に思えるのだろうな、
とか考えながら、
読後感の余韻に酔いしれている。
いつもなら苦いコーヒーが、
ちっとも苦くない。
なにかのエネルギーを供給しないと次の本を読めないくらい、
どっぷりとハマッタ。
なぜって?
著者の言葉を借りるなら、理由は風景のようなものだから。
エンターテイメントである小説に、
娯楽以外の要素がたくさん詰まっていた。
素晴らしい本を教えてくれた友人に、
乾杯!




瞳 June










ハピネス」
桐野夏生著



日曜の朝、
読み始めたら、
さらっ~と読みやすくて、寝坊助の娘が起きてきた頃には読み終えた。
アリサの夫の言動はなんとも理解しにくいけれど、モトサヤっぽいので、
まぁよかろう(笑)
見栄をはる女たちが、
憎めない。
みんな自分の城を守り必死で築いている。
女は強くて怖いのだよ。



瞳 June










「何者」
朝井リョウ著



就活の話だけに、
私には関係ないなと本を閉じようと思うのだけれど、これがなかなか閉じられない止められないカッパエビセン……
これがこの本の力なのね。若い蒼い可愛い大学生たちが人生の扉を開けようとしている。
人生の扉はひとつじゃないから、
作家が扉を開くたびに書かれる作品を、
見続けたいなと思った。




瞳 June










「大事なことほど小声でささやく」森沢明夫著と
「風の中のマリア」百田尚樹著



ゴンママといいマリアといい、
生きる戦士、
死までを秒読みしながら、逞しく生きる。




アタシの読書の春は、
あと少し。
本を閉じるときの秒読みに入りながらも、
時間と戦いながら、
本を読む。



他に趣味ないの~
アタシ(笑)




瞳 May









「永遠の0」
百田尚樹著



エピローグを読み終え、
深く深く息を吸い、
深く深く息を吐いた。
ああ、なんというお話。
息も出来ないほど。




ずいぶん前に出された本だと知って、
なんだか自己嫌悪。
もっと早く読みたかった。でも今出会ったのも、
なにかの巡り合わせ。
複雑な感動を味わいながら、
あの繰り返したくない時代があったからこそ、今の私たちがいるのだと思ってやまない。
と、
書いてはみたが、
なにを書いても、
言葉が宙に舞う。




瞳 May










王国」
中村文則著



スルメみたく、
あと、ひく、中村ワールド、
王国を、いっき読み。
私にはマッタク分からない世界。
でも読むのを止められないのよ。
本を読みながら、
自分が迷子になっていくのよ。
あれ、
お母さんどこに行ったの?って感じ。
(お母さんは作家なんだけど)
で、
お母さんを探すんだけど、やはり、いない。



で、
最後のあとがきに、
読んで下さってありがとうって作家(お母さん)が書いてらして、私は、
ああ、
お母さんはフツーにここにいたんだ、って、
ホッとするのよ。
なんなの、この人、
(この場合、怒りではなく、なんか今まで味わったことのない鼓動)




アタシが中学生のとき、
大学生の兄が、
「あなたには分からないけど」
って、
谷崎潤一郎の卍(マンジ)を私の部屋に持ってきた。
分からないなら読んでやる、とイキガって、
アタシは卍を読んだ。
でも兄が言うように、
やはりよく分からなかった。
あのときの感触と似ている。
感触、
という言葉は間違っているかもしれないけど、感触なんだな~
でも、あのとき、
大学生の兄は、卍を理解していたのかなぁなんて、
今考えてしまうアタシ。




そんなムカシムカシのことまで思い出してしまった。なんなんだろ、この本。




瞳 May










夢を売る男」
百田尚樹著



いやぁ~、
笑ったわ。
ヒクヒク笑いながらページをメクル私を、
夫がひとこと。
「気持ち悪」
だって。
失礼な、、、



ラーメンが美味かったからまた来てみたらカレー屋になってるような店に顧客がつくはずもない。しかも次に来てみればたこ焼き屋になってる始末と、ご自分を卑下?(笑)卑下も自慢のうちってか(笑)
海賊とまるで違って楽しい時間を過ごせたわ。




瞳  May










掏摸(スリ)
中村文則著



残酷な運命の中で生きる個人の抵抗を書いた物語なんだそうだが、
そのカテゴリーさえ私にはよく分からない不思議な小説だった。
話は単純だけど複雑。
奥は浅いようで実は深い。面白いけど、
爽快感がない。
きっとそんな読後感こそが、
この物語の狙いなのかな~なんて思いながら、
本を閉じた。
兄妹編の王国、
読むっきゃないでしょ~
このワールド読んだら。
スルメみたい。
あと、ひくわ(笑)




May










野心のすすめ」
林真理子著



野心なんてものは、
わたし的には男の特権かと思っていたフシもあったので、
タイトルを耳にした私は、
まぁなんと男前なタイトルだこと、
と思いながら、
即、本屋さんへ!




長生きの秘訣は、
欲と好奇心とは聞きますが、
野心も加えなきゃ。
フムフム。
たしかにたしかに。




「夫と他人を比べることのできる人生のほうが女性として楽しい」
っていうフレーズには、
笑っちゃった、、、
こんなふうに言い放つ強さは、
アッパレだし、
既婚者へのエールにもなるしね(笑)
ただ、
いっつも夫と比べるしかない寂しさもあるけど(笑)



独身者でいうなら、
百恵さんの「去年のひ~とと、また比べている~」
と、いうことかしら、
って、話がそれちゃったけど。




「仕事を続けていれば、生活力という体力がつくから、たいていのことには堪えられるようにもなってくる」
っていうのは、
名言だわ。
いい得ているだけに表現が半端なく好き。
さ、
わたしもがんばらなきゃ、って思った。




瞳 May










ブラックボックス」
篠田節子著



震える牛につづく、
震える野菜、
と言えばいいのか。
淡々と流れていく時間が、恐怖をよぶ。
なにが安心でなにが安全か?



さ!
当分手作り料理だわ!




2013 May













「海賊とよばれた男」
百田尚樹著



久しぶりの読書に選んだ本は、
本屋大賞第一位に輝いたこの本。
タイトルや表紙からしてなんだかイカツイ気がしたのだけれど、
勘かな、
久しぶりの読書ならこの本かなって。
で、
感動!



男のロマンやサクセスや経営学や哲学だけではなく、そこには生きる美学があった。
運がいいとか、頭がいいとか、先見の明があるとかではすまされない、
あらんかぎりの力強さで生きぬく真の美しさ。
この生きる美しさを失うことなく、
命をつかわなければならないのね。
時代も職種も性も違うけれど、
またひとつ学んだ気がする。
小説が生きるバイブルになる瞬間はかぎりなく気持ちがいい。



2013  GW











「母性」湊かなえ著



重たかった~
ため息とページを捲る紙の音が
交互に読書灯を揺らす



時雨降る日に読むには
胸が詰まるね
涙の時雨がザザザッと
風になびくお話だった
母性
もってうまれたものではなくのちに形成されていくもの
母性
男にはけっして分からないもの
母性
母性によって我が母親に育てられ
母性をもって親の恩を子に返す
母性
言葉の響きは美しいが
自分自身と母性の間にある淵は
深くて遠い



しかし
その淵を越えた者だけが知り得た愛は
母性をも超える




瞳  November










「連続殺人鬼カエル男」中山七里著と
映画「ToRomaWithLove」



カエル男は
キモキモなお話ではございましたが
ついつい止められなくなって完毒、、、
いゃ失礼、完読(笑)!



さゆりは
「本人が善意だと信じている行為ほど始末に負えないものはないもの。世の中で一番厄介な揉め事ってさ、悪意から派生するものよりは善意と善意の擦れ違いなのよ」
と言う。
あぁ深い!
エグザクトモァ!



そのあとすぐに
ラブコメディの映画鑑賞
笑った笑った(笑)
涙流して笑いました(笑)
さすがウッディアレン!
最高!



と涙を吹いているうちに
成田に着きました
東京はパリより暖かく
帰宅してやはり最初にいただいたのは
ラーメンでした
毎度のことながら(笑)




瞳  October










「ソロモンの偽証」宮部みゆき著



紙は重いね
PCに慣れてくると
一段と紙が重く感じる
ソロモンの偽証
三部作の3冊の重いこと重いこと
でもね
この重さは私にとっては何よりの快感でもあるのだよ



長いなら長いだけ好き
重いなら重いほどいい
物語よ終わらないで欲しい
このままずっと
この物語の世界の人たちの様子を知りたい聞きたい分かりたいって
思う
ワタシ
ヘンかしら
フフフ
ヘンじゃないよね(笑)




私の錯覚だけど
ソロモンを読んで
不思議な1991年に迷いこんだと思うあたりは
1998の月ふたつ
自分が
地球の引力を見失う感覚にとても似ていた
(カテゴリーは違うから
これは私の主観ね)




ソロモン3冊めはパリで読み終えたけど
パリにいようが
東京にいようが
ソロモンは私を1991年の三中に連れていく
手招きされる感じっていうのかな
あなたも傍聴席に座ってくださいって
涼子に言われてるみたいな?




私は小説大好きで
いろいろ読むけど
今回つくづく思ったのは
読者って
最高のVIP席だね
だって
登場人物すべての人の気持ちを理解できる(読むことができる)スゴい立場なんだなぁと改めて思った
なに言いたいか分かるかなぁ



フツー暮らしていたら自分の気持ちは分かるでしょ
(もちろん分からなくなるときもあるけれどそれは例外ね)
でも小説って
登場する全員の気持ちが
分かるんだよ
スゴくない?
こんな当たり前なことを言っている私もどうかしているけど(当たり前すぎてね)興奮したのかな
読み終えて




とてもとても
胸が熱くなったな
どの登場人物を見渡しても
いとおしくて
心がまっすぐで
ときにはなんとも妙な人はいるものの
私は
癒されたな
なんて嫌な世の中だろ~なんて愚かな人が多いんだろ~って思うことも多かったけど
子供たちは立派だった~




ときにはね
本当のこと知らないのに
嘘ばっかり言われてね
コレ辛いな~って思うときアタシだってあるさ
あるけどさ
人の愛があるかぎり大丈夫なんだよきっと




10年後のオチも
なんともすがすがしく
心が洗われた
人は美しいのだ
そう思えた




瞳  October










「新月譚」貫井徳郎著と
「白ゆき姫殺人事件」湊かなえ著



新月譚で出てくる美人作家の恋愛やら人生やらを
"あえて"傍観しながら
読んだ
和子の言う「負の感情で強くなる」という言葉には
私には持ち合わせがないのでただただ感心してしまった
一人の男性を愛しぬくその姿には参った
スゴい



白ゆき姫殺人事件にも
美人が登場するが
なんとも後味の悪さをぬぐえない
美人はいい人ではなかったんだな~
しかし
人の口に戸はたてられないっていうけれど
この本読んでも
ほんとにそうだな
と痛感



人の口に戸はたてられない極めつけのソロモンに
いざ突入!



瞳  October











「カラマーゾフの妹」高野史緒著



題名に惹かれて
つい買ってしまった江戸川乱歩賞受賞作のこのミステリー



初っぱなから
ぐいぐい引き込まれて
またまた一気読み
物語が多重人格になったときは
なにげに俗っぽさを感じ
アレ~?
ってヒイチャッタけど
普段馴染みの少ないロシアの地名や名前が連なっていても
一気読みさせちゃうところが
スゴいな~
って感心したわ



カラマーゾフの兄弟たちはなんやかや言いながら
憎むべく父を中心に
仲がいい
原典は途中で放り出した記憶があるから
もう一度トライしてみようっかな
って気になったわ





瞳  2012   August










「楽園のカンヴァス」原田マハ著



「ねえお父さん、こんなにいっぱい絵があったら、どれを見たらいいかわかんないよ?」



「どんな人ごみの中でも、自分の大好きな友だちをみつけることはできるだろう?この絵の中に、君の友だちがいる。そう思って見ればいい。それが君にとっての名作だ」




こんな幼少を経た織絵と
アンリ・ルソーをめぐって出会ったティムとの
ミステリアスでロマンティックな
いやいや
なになに
なんだろ
カテゴリーを一言では言えないこのもどかさしさ



そんなことはどうでもよくて
とにかく
読み終えたときに
私は鳥肌がたった
かすかな微笑みとともにね



好きだな~
この小説
絵画好きの私には
ドストライクの感激を味わいましたわ




瞳  2012   August










「十二単衣を着た悪魔」内館牧子著



面白かった面白かった!
パチパチパチ!



始まりの食い付きも一瞬だったし、
タイムスリップしてから現在に戻るのも、
予測できるとはいえ、
素晴らしかった。
主人公の雷が、
平安時代の源氏物語のなかに紛れ込むんだけど。
帝と光源氏兄弟を自分たち兄弟と比べたりして、
雷が成長していくから、なんともお洒落だわ。



そして
もう一人の主人公、
平安時代の世に生きている十二単衣の女御は、
まさにアッパレ!
男に頼らない生き方をし、「男に自分の人生を握られる女こそが、一番の不幸よ」
と言い放つ。
「女が幸せな人生を勝ちとるのに、必要なものはふたつだけ。決断力と胆力」
とも言う。
女は愛嬌!という言葉が残っている21世紀に、
女は度胸!
と言っているようなもんだ。
つい、読みながら、にやけてくる。
「若い者に負けぬと、あがいたりみじめな画策をしないことが、人の品性というもの。若い者には負ければいい」
とも言う。
深い。
そういえばうちの父もこんなことを言っていたことを思い出した。



雷が現在に戻ったときには、
参った参った。
笑った笑った。
何て言うんだろ、スカッと爽やかな小説に出会え、
「嬉しうございます」
って心境だわ。



なにをやっても中の下だった雷が、
大后に言われた、
「能力は形にして見せるものだ」
という言葉を噛み締めながら、未来への第一歩を歩きだす姿には、
私もエールを送っていた。



瞳  2012   August










「渇く」瀬戸内寂聴著



これほどまでに
ドラマチックな物語だと感じる根拠は
愛があり死があり
人としての優しさがあるからなんだろうなと
私は漠然と思いながら
渇いた涙を流すハメとなりました



なんなんですかね
この説得力は
ウムを云わさぬ壮大な正解は



だれもが
正解
だれもが悪くない
だれもが精一杯生きてる



一度行ったインドに
また行きたくなった
生きるとか死ぬとか
愛とか別れとか
綺麗とか大変とか
すべてをなぜか超越してくれるインドに



読み終えたら
清らかな夜
まるでいまインドに向かう飛行機の中ににいるみたい

マジックみたい



瞳  2012   August










「銀の匙」荒川弘著



読みかけの小説二冊
バックに入っているんだけど
早く読み終えたいんだけど
ちょ~っと
気になっていたコミック
銀の匙




読んじゃえ~って
読んじゃったら
面白い面白い




銀の匙ってタイトルだから
よく言う"赤ちゃんは銀のスプーンくわえて生まれてくるって。だったかな。だから赤ちゃん産まれたら銀のスプーンを贈ると幸せになれるって"




そんなお話かと思いきや、びっくりびっくり!
牛や馬や豚や鶏、、、
出てくる出てくる!
物語は
なんも夢のない八軒勇吾くんが農業高校へ入学し
そこで体験する学園ものなんだけど
一巻読んだら続きが早く読みた~いってなっちゃった!
半信半疑で一巻だけ買ったのが間違いだったわ
出てるの全部買うべきだったわ
で、連載中ってことは
完結してないってこと?
え~!?
少年サンデーも買わなきゃ(笑)




「特に夢が無くて、、、」と言う八軒くんに
校長先生が
「それは良い!」「楽しみだね~」
と穏やかに言う。
ああ、このあとの展開が目に浮かぶ。
良い良い!




「どんな事でもね、叶うにしろ叶わないにしろ、夢を持つという事は、同時に現実と闘う事になるのを覚悟する事だと思うよ」
と言うおじさんの言葉もいいよなあ




きっと
八軒くんは幸せを掴むんだろうな~なんて思いながら
いざ!
本屋へ




瞳   2012   July










「たられば」ユウ著



三冊からなるこの物語
三冊めのエピローグを読み終え

本を閉じた私の第一声は
「なんだ、これ~」
なんなんだ
なんなんだ
胸が痛すぎるんじゃねぇ
ちょっと
切なすぎるんじゃねぇ
って感じ



内容に関しては
ブッ飛びすぎている箇所も確かにあるけれど
それよりも
なんだか
妙にセツナクテ
恋ってこんなにキラキラしてたんだ
ともだちって
こんなにポカポカしてたんだって
10代の頃を思い出してしまったわ




誰にも
未来などちゃんとは用意されてない
必ず未来がくるとは
限らない
当たり前にくると思っている未来は
当たり前のことじゃない
だから
そのときそのときのひとつひとつを
大切に
大事に
そして強く
生きていかなきゃなんないってことが
淡々と描かれている




娘が読んでいた小説を
ちょっと拝借してみたんだけど
不覚にもアタシ涙



「本借りたよ~」
と娘に言ったら
「ママ読んだんだ~、どうだった?」
って言われたから
「まぁ、あり得ね~ってとこもあったけど、大事なことがいっぱい書かれてあるし。終わり方が衝撃的ね」と答えると、
「でしょでしょ、最後の1ページはビックリした」
と言いながら私たちは少しの時間
小説について語りあった。人を大事に思う気持ちがどんなに素敵なことか。
弱い気持ちになっても命はとても大切だということ。人はそうやって大人になっていくということ。
だから一瞬一瞬を大事に過ごすということ。
樹里がそうであったように。



話が終わったあと娘は
「私の好きな本、これとこれとこれと、、」
と言いながら、
10冊ほど私に持ってきた。よっしゃ~
読むしかないだろう(笑)




瞳   2012   June











「クリーピー」前川裕著



すごーくこわーい小説を
読んでしまった
怖さから言うと
断トツかもしれない
忍び寄る恐怖
そして
忍んだ恐怖



「事態の終焉は、人間の根拠のない期待に過ぎない」



すべては
それにつきる
つきる
都合のいいようにしか
解釈しない
それが人
根拠のない期待に
希望などない




物語は
犯罪心理学の教授が体験する人間模様と犯罪だ
犯罪には動機がある
人間が蠢いているのだから当たり前だ
しかし
動機がないように見せかける猟奇的な場合もある
それから
動機がなくても
そのような犯罪を犯す人格の人間もいる
様々だ




なにが怖いって
人間が怖い
こんなに怖い小説を読んだのは
久々だ
しかも妙に共感もする
怖いながらも
なぜこんなにまで惹き付けられるんだろ、、、




綺麗な心
それを探すのは
難しい
ということ
それを知っただけでも
価値がある
でも綺麗な心
探さなきゃいけない
いい本を読んだ
怖かった
そして外は嵐
台風が怖さに拍車をかけた



瞳   2012   June










「みんな邪魔」真梨幸子著



なんとも言えない後味の悪い小説に
なんとも表現のしようがない
真梨ワールドにハマりにハマって
立て続けに3冊読んでみたけど
このイヤミス小説は
とんでもなく嫌な気分になるミステリー(イヤミス)を
代表するだろう




読み終わり
自分がひどく嫌な気分になったあとには
やはり
人間の裏の顔
企み
嫉妬
汚ない汚ない気持ちは
表面からは
読み取れない怖さが
人間社会には存在するのだと
改めて知るのだ
ああ
怖!
怖い社会だ



清らかなものを
見失いそうになるこの手の小説は
ときどき読まねばならないのだろう



次は
なにを読もう
ハードルが
高くなったぞ!




瞳   2012   June










「深く深く、砂に埋めて」真梨幸子著



ノエのそのあとを知りたくて
覗いてみたこの小説
お~っと~
こうきましたか
まさか
こんな形で再会するなんて(ちょっと安直すぎな~い?)

ノエは置いといて



美しすぎるがために
男に愛されすぎるユリコの華麗で憐れな人生
男を虜にし滅ぼしていくユリコは
本能のままに生きて
自由に好きなものを
ただ手に納めてきた
彼女の不幸は
"今"が幸せならばそれでいいと折り合いをつけるところなのかなと
思ったりしてね



啓介が
深みにハマっていく様子
篠原が同じ深みにハマっていく様子は
蟻地獄に足を踏み入れた虫のようで
読んでいて
ああこれも仕方ないなあ
これじゃあハマるよなあ
と思わざるを得ない



将来を有望されていたエリートの会社員が
将来をなげうってもユリコにのめり込んだり
弁護するはずの弁護士が
ユリコと逃亡する羽目になったりと
男たちは簡単にユリコに
ハマってしまうんだもの
小説とはいえ
嘆かわしい
なんなんだ!この真梨ワールドは!



しかしだ
一番ハマっているのは自分なのだと知るのに
そう時間はかからなかった




瞳   2012   June










「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」辻村深月著



またまた
切ない小説に出会ってしまった
単なる女の友情に終わらないこの小説の奥深さは
なぜチエミがお母さんを殺してしまったのかという動機の根っこが
悲しいまでに
お粗末だからだ
(お母さん殺しは、この場合、事故のようなものだったんだけれど)



だから
チエミが不憫で
かわいそう
それなのに全面的に同情も出来ないもどかしさも残る

だから
みずほは
自分しか味方がいないのだと感じるのだ
いてもたってもいられなくなるのだ
みずほにとって
チエミは親友だったのだとジワジワと実感していくあたりは
同性としてすごくよく分かった
しかも
ジワジワとしか実感出来ないのは
きっと
どの女の中にも住んでいる嫌な虫のせい
嫌な虫が
素直な心をときどき
蝕むから




10代20代は
全てが
飴細工のように
ちゃんとしているようで実質はあまりない
だからもろいのだ
でももろいけれども
人生の中でこれほどはっきりと
記憶に刻まれている時期はないだろう
過ちと失敗の連続




チエミが犯した罪は
元には戻らないけれど
「お母さんに、会いたい」と言って
泣けるみずほの胸が
チエミにあったから
私には一筋の希望がみえた




親友が
希望になる光景は
読んでいて悪くない





瞳   2012   June











「女ともだち」真梨幸子著



学ぶことがいっぱいあった



奇々怪々なストーリー展開で
構成もキャラも計算つくされていて
面白くて一気読みしちゃったけど
娯楽だけで終わらないその物語に
人間の奥深さを
学んだ



人は
相手の表面だけを見がち

その人が日々
何を考えどうやって生きてきたかまでは分からない
分からないのに
分かったふりをする人が多い


人がどんなに傷つき
どんなに幸薄い人生を逞しく生きてきたかにも関わらず

自分のプラズマに映った相手しか見ていない



怖いことだと
思った



生という
限られた時間の中で
虚実と現実を見極めるのは至難のわざ
だとしたら
私は
見えるものだけを信じることを止めようと思う
(でもこれは、日頃から注意していることなんだけどね)
時として
見えないもの聞こえてこないものの中にこそ
真実があるからね




人の言葉
人の行動
人の思想のような
形として見えるものには

時として
敢えて言うけど
時として
真実が見えなくなる恐れがある



主人公ノエのその後が気になる
気になる方は
次は〓〓を読んでみたらいいと解説に書いてあった
読むしかないだろう(苦笑)




またまた
この本をうちの本棚に置いてってくれた"女ともだち"に感謝!




瞳   2012   June










「ナミヤ雑貨店の奇蹟」東野圭吾著



東野さん異色の
SFファンタジーヒューマン作品に
余は満足じゃ満足じゃ!のひとことです



よくあるタイムスリップものかと思いきや
みんなが丸光園で繋がっていて面白いし
主人公の男の子たちが
迷える羊たちに送る手紙は破天荒で笑えるし泣けるし




ナミヤおじいちゃんには
なんか
頭が上がんないし
イイコト言うなあと
感心しきり




時空を超えて
こ~んな相談所があったら私は
何を相談するかなあ(笑)
なんてことを考えているワタシ
ホンワカホンワカする気持ちの読後感に包まれた証しでしょう




そういえば
相談って言葉で思い出したけど

一昨日だったか
撮影に出掛ける前に
早朝のTVでチラリと見たら
三輪明宏さんが視聴者の方からの相談にお応えするという人生相談なるコーナーだった


その中で
三輪さんが
「人生は自分育てをする場なのだ」
みたいなことをおっしゃっていて
私は
「なるほど~」
って感心したわ
つまり
人は自分自身を自分が親になって育てなきゃいけないって

子育て(この場合の子供は自分のことね)を放棄した人は
例えいくつになっても
変わらない
って


自分で自分を育てる
つまりは意識を変えたり
向上させたりするってことなんだけど
自分育てという言葉に
大きく頷いた次第です



それはあくまでも
相談者に対する回答なんだけれども
それを聞いている部外者の自分が導かれることだって
おおいにあるよな
って思った



だから
ナミヤからの回答が
他人事じゃなくて
ストンと自分に入ってきたんでしょうね




しかし
ナミヤおじいちゃんの言う「相談者は答えを決めている。相談するのは、それが正しいってことを確認したいからだ」
っていうのも
そうなんだよな~って
納得できるし




「あの時のわしの回答が本当に正解だったかどうか」と悩む気持ちも
痛いほど分かるから
な~んか切ないんだよな~



こんな風にして
いろんなことを
考えられるから
やっぱ
読書って
いいわ~(笑)




瞳   2012   June










泣きたい人へ
2012.5.22



最近
立て続けに観た映画3本に泣かされました
泣きたい人におすすめしますぞ(笑)


サニー

愛と追憶の日々

マイネームイズハーン



私の涙腺が弱いだけなのかしらね~
でもそれらの映画に共通しているのは
"愛"なのだ!
友情であったり母と娘の絆であったり夫婦、そして人間の愛
清らかなものが
清らかなものとしてありつづけるという素晴らしさ


さ、泣きたい人よ
ご覧あそばせ!





2012  5  22











「母の遺産新聞小説」水村美苗著
2012.5.16



胸が痛い
小説を読み終えて
胸が痛いと思ったのは
いつ以来か
高校生のときに
島崎藤村の夜明け前を読んだとき以来か
(古!)



感激か失望か
読後感は
その繰り返しの読書少女
(自分で言うなよハハハ)の私としては
胸が痛い読後感を味わうのは
久しぶりであることは確かなようだ



貧富の差こそあれ
人生の半ばにきた女性の誰もが体験し経験し感じるであろう思いが
この小説には見事に書かれてある



どう生きればいいか?ではない
どう自分は生きてきたかを問われているようだ



「人生において、年をとることと不幸を知ることとは一致せねばならないのだろうか。そう思う心と、それに反抗する心がせめぎあうだけ」



確かに
確かに



「30代はふつうの主婦になった友人のほうが老けて見え、50代になると、仕事をもった女のほうが体力と忙しさの戦いのなかで老けていっていた」



笑える
でも
笑えない
笑えない



「人は理由もなく生きている。人は、理由もなく死ぬこともある」



まことにセツナイ



愛することを
ある日
どこかに置いてきた夫婦
その生活
親の介護親の死
親の遺産



女が
少女からお嬢さんになり大人になり
老女となる過程に
起こり得るそのどれもが
私の胸に染みていく



美津紀が
夫にあてて
最後に送ったメールには
泣かされた





2012  5  16











「震える牛」相場英雄著
2012.5.4



ずっしり
どっしり
みっしり



お腹いっぱいになるほど
中身の濃い内容に
私の胸も震えました
このような小説があるのですね
これはフィクションにせよ多くの人に
願わくば
多くのお母さんに読んでもらいたいです



犯人探しに留まらず
ラストがなかなかいい
よくある手法かもしれないけど
私の好きなオチになっていて
(いい人だと思っていた人が実は一番悪役だった、みたいな)
そして
それで終わらないで
またもうひとつの清々しいラストが用意されているところも
読者としては
一応気持ちよく本を閉じることが出来る



内容はね
気持ちいいもんじゃないけど
着地点がみえたから
胸のつかえも
とれたんだけど



って
読んでない方が
この文章読んでも
なんのこっちゃい?
ですよね(笑)
でも読んだら分かるんで
今回は
敢えて内容には触れませ~ん!



まさに
勝手勝手コーナーで
すみませ~ん(笑)



五ツ星小説に
出会えたときに飲むシャンパンは
格別だわ!





2012 5 4










「船を編む」三浦しをん著
2012.4.30



いい本を読ませていただいたわ
とってもいい本
お話は
簡単に言うと
(簡単に言っちゃいけないけど)
国語辞典を編集する編集者たちが織り成す日常と恋と人生(いやいや、こ~んな簡単じゃないけど)



なんていうのかなあ
すごい本よ
この本は私にはうまく言えない
なんだか感想を口にするのも憚られる感じよ




私は
国語辞典大好き人間だから余計にそう思うのかなあ
しかも私
今だに中学一年生のときに買った国語辞典を片手に
原稿を書いたりするんだもの
どこまでアナログかしらと自己嫌悪に陥ることもあったけど
なんだか気持ちも晴れ晴れしたわ
もちろん
ときどきは横着して
携帯電話やiPadで意味を調べたりするときもあるけれど
やはり辞典に勝るものはないと信じて今も楽しくパラパラとページをメクってる




辞典は
ページを開くだけで
言葉の海原が押し寄せ私を至福へと導くし
半端ない想像力をも押し寄せてくるのよ
ひとつの言葉を辞典でひいても
それに留まらないで
その前後に書いてある言葉に酔しれ
詩を書き
言葉を紡いで紙と鉛筆で一人遊びをしている
わたし
子供の頃も今も変わらず





私が持っている国語辞典は中学一年生入学のときの古いボロボロの辞典で
新しく買っても
なんか気に入らず
宝塚に行っても嫁に行ってもこの国語辞典だけは
連れてきた
表紙を開くと
昭和48年とキッタナイ字で書いてある
(私が書いたんだけどね)




私の辞典は
国語辞典改訂増補版(かろうじて読めた)
というもので
今まで意味を知るときにしかページをめくらなかったんだけれど
初めて"序"とか"あとがき"とか読んで
小説の読後感に拍車をかけるからたまらない




私の持つ辞書の"序"に
監修の一人が
「現代語を主とするものであるが、これまでの辞典にない企画と特色を有しているので、私も監修者の一人に加わったのである」

この国語辞典を監修した経緯が書かれてあり


なんだか
楽しくなってくる
小説のような物語が繰り広げられられたのかなあと
想像できるからだ




いまや
私の持つ国語辞典は
死語が多く存在し
あまり役にはたたないかもしれないけど
この小説を読んだら
なお一層
この辞典がかけがえのない私の友達となったのは間違いない



国語辞典って
人は一生に1、2冊しか巡りあわないでしょ
国語辞典の作成に
10数年かかっても当たり前な気がするな
私はかれこれ40年あまり自分の国語辞典に付き合ってるわけだからね
それだけ作成に編集者の精根と愛情が詰まって当たり前だよね
なんか嬉しくなって自分の辞典がいとおしくなったわ



国語辞典を語らせたら
まじめさんと同じくらい右にでる人
いないかもよ





2012  4  30










「マスカレードホテル」東野圭吾著と「法界坊」
2012.4.14



隅田川の桜も散る雨の日
久々の勘三郎さんの法界坊を拝見
笑った笑った笑った!
もう大きな声を出して笑ってきました!
ダイナミックな演出にドギモをぬかれてから
すっかり法界坊のファンになった私ですが
今回は義母と夫とともに観劇
素晴らしいという言葉は
こんなときに使う言葉なのだと
改めて思う



その日道々
読み始めたマスカレードホテルも
結局止まらなくなり
帰宅後完読!
犯人はきっとあの女だろうなんて予想しながら
物語はクライマックスを迎えたのでありますが
私の予想はあっけなくハズレ
残念、、、
無念、、、



この物語も
ドラマ化されるんだろ~な~なんて思いながら深夜本を閉じたのでありますが
ドラマになったら
また見るぞ~
でも私はもう知ってるもんね~犯人が誰か~
 


あ・な・た・・・も
犯人予測できるかな~
チャレンジしてみて~



きっと
分かんないと思うよ(笑)



1日で二つの世界を堪能出来た春の休日に
満足満足!





2012  4  14










「死ねばいいのに」京極夏彦著
2012.4.13



読んだ本3冊
立て続けに振られて
なんかないかなぁと本棚を凝視
まだ読んでなかった"死ねばいいのに"を見つけて
「おお!これは読んどらんよ」
と手に取る


のっけから
ゾクゾク
ザワザワ
良い良い良いよ
これ!


良いよこれ!
なんて偉そーに言っちゃいけませんが


これがまた
良いのです!


ケンヤという身もふたもない男が
次第にマトモに見えてくるから
摩訶不思議
トリックも怨恨も情さえない殺人事件なのに
私の心を
グイグイ掴む
スッゴイ小説だなぁとひとりごちる



京極さんの魍魎の箱が
映画化され出演したときに読んだけど
そのときも
スッゴイ小説だなぁと思った
今回もやはり面白い
力のある本っていうのかな
読んでみなければ
分からない奥深さ



私がグチャグチャ言うより(笑)
読んだほうがいいんじゃね~的な(笑)
満足度100%の読後感に包まれた次第!



そうそう!
娘を亡くした母親が
娘は母親に甘えなかったのではなく
母親が娘に甘えさせなかったのだと母親が知るシーンがあったんだけど
個人的にドキッとしたな


親はどうしても子供に厳しくなってしまい
子供が甘えたいときにも
それを見逃して
厳しくしてしまうときがある
いかん
いかん

反省したな
その一行を読んで



小説のたったの一行に
その活字から目を離し
5分くらいため息
言葉の持つ力を
肌で感じた瞬間でした





2012  4  13










映画「マーガレットサッチャー」
2012.3.16



映画から学ぶことがある


「考えは言葉を作る
言葉は行動を作る
行動は人格を作る
人格は運命を作る」
だったかな?
サッチャーのセリフに
なるほどぉ!
と深いため息をつく
自分の運命をどう切り開くか?
自身のひととなりが
いかに大切か
改めて学んだ次第





2012 3 16










「黒笑小説」東野圭吾著
2012.3.7



歪笑小説に引き続いての
ブラックウィットもの
読んでいると
一つ一つの話のオチを期待している自分がいる
オチを確認し
ツボにハマったときは
よし!
とガッツポーズ!


そんなアタシは何者(笑)?


歪笑で出てきていた編集者や作家たちは
小説のはじめの方に出てきて
賑やかだ


ホントに可笑しい


ハードボイルドの才能のない先生(歪笑で出てきた)が私は好きなんだけど
小説の中では
みんながイキイキと生きている命の息吹が感じられて
私までが
小説の中の次元に
潜り込んだかのようだ



ハードボイルドというと
私が思い浮かぶのは
原遼さんと北方謙三さん
どちらも好き!
そういえば
北方謙三さんはナカジマアツシさんの李陵に影響を受けられたようよ
と義母が昨日話していた
本当かどうか分かんないけど
歪笑や黒笑小説に出てくるような
名編集者に今度たずねてみることにしよう(笑)


ナカジマアツシも
読んでみよ!っかな




2012 3 7










「歪笑小説」 東野圭吾著と
映画「The Artist」
2012.3.1



歪笑小説には参った
降参!
笑った笑った
いつものごとく我が友人から楽しめるよ~と
預かった一冊!
パリに向かう飛行機の中で周りをかえりみず
心ゆくまで笑わせてもらいました
ドストライクの笑いのツボに
涙流して笑い、、



そのあと
日本ではまだ公開されていない映画アーティストには
しっかり泣かされてしまいました!
いやぁよかった
人生の栄華と衰退
そして愛


悲しみは喜びへの通り道
そんなことを思いながら
またまた周りをかえりみず涙してしまった逸品



気づいたら
パリでした!




2012  3  1










「毛のない生活」 山口ミルコ著

2012.2.29



友人ミルチンが会社を辞めて
乳ガンになって
再び仕事をしているのは
ときどき交わすメールで知っていた


ミルチン自身で私に送ってくれたこの闘病と自身との闘いエッセイ
本のタイトルを見ただけでああミルコはひとまわりもふたまわりも強くなったんだなと私は感じた
強くならなきゃ乗り越えられないしね
なんかタイトルだけで嬉しさがジワジワと湧いてきた



けっして他人事ではない病気
けなげにけなげに過ごし
励まし励まし乗り越え
前とは違う健康を今は手に入れたんだね
前とは違う健康は
使い方も違うんだろうな



絶望は希望をつれてくる
ミルチンの放つ言葉は
逞しかった




2012 2 29










「花酔ひ」 村山由佳著

2012.2.21



某有名出版専務Iくんに
「花酔ひが面白いらしいよ」と電話で言われて
5時間後には
一頁めを開いていた



台詞を覚えなきゃ、、
っていう小さな葛藤、
読書タイムが勝利する



あれれ
これって映画でいうところのR指定かも
なんて思いながら
匠の技で読者を惹き付ける作家のパワーに圧巻



内容はダブルフリンなるものだけど
村山さんの小説の奥に
私には
緑色をした淵が見える
幼い頃
田舎の川の奥ーのほうに
あそこにはカッパが出てくるから行ってはダメよと親に言われていた淵


「近づいちゃいかんよー
覗いちゃいかんよー
川底からカッパが足ばひっぱるとよー」
と言われていた淵



なんだろ
この郷愁は、、、



読み終えたとき
これって序章かもしれないって思った
このあとの四人がどうなったのか知りたい
人の奥にある業がなんなのか
そこにこそカッパがいるような気がするから
人の足を淵の奥からひっぱるカッパが
そして
花に酔ったあと
人は
どうなるのか
私の想像は膨らむだけ膨らむ



最後に
物語を色づけする麻子の祖母の台詞が印象的だったので
記すね



「我慢上等。粋とかお洒落というのはつまり、痩せ我慢のことを言うのだ」
「装うってことは、人さまへの心遣いをするってことなんだよ」



おっしゃる通り。私の好きな齋藤薫さんがおっしゃるような名言だわ!



「(服を)脱いだあとに何をするかが肝腎なんだよ、と祖母は言う。明日の準備を、前の日になってするんじゃ遅いんだ。着物はね、脱いだ時にゃもう、次に着る時の準備が始まっているの。着ている最中ばかりじゃない、後始末への心配りこそが大事なのさ。ほんとうは着物だけじゃなくて、何だってそうだけどね」



ホント、服だけじゃなくて人の気持ちの後始末こそが大事なんだなって思い知らされる。こんな粋なことをサラッって言える大人な女に私もなりたいものだわ!


ついでに祖母の言葉をもうひとつ
「人と人の縁、えにしってものは、一旦つながっちまったが最後、そう簡単に切れるもんじゃないの。
だからこそ、自分から断ち切ろうと決めた時には、どこまでも貫き通すだけの意志が必要なんだよ。
それはそれは強い、意志の力がね。」



なるほど。
大人から学ぶものはたくさんあるものだわ、と感嘆の声がもれるわ。
大人じゃなくて小説だったね、、もとい、小説から学ぶものがたくさんある!



さ!
次の読書の誘惑を我慢して仕事仕事(笑)




2012  2  21










「モンスター」百田尚樹著と
「傍(かたえ)聞き」長岡弘樹著
2012.1.15



モンスター、百田尚樹著と
傍(かたえ)聞き、長岡弘樹著


大変ユニークな物語、モンスター。
おとぎ話のような文体は読みやすく
なんか新鮮だった。
女の執念は、怖いですね~(笑)
世の男性諸君、女性諸君!
目に見えているものだけを信じちゃ
いけませんよ~(笑)


多くの真実は
目に見えない、そして形のないものの
中にこそ
あるんでしょうから。



傍聞きは、
これまたきちっと構成されていて
まるで小股のキレアガッタような
小粋な短編小説でした。


話がどれも違っていて
全く違う小説を読んでいるような
得したような
そんな感じかな。


Parisからの帰宅に
楽しめた2冊でした!



2012 1 15
瞳o(^▽^)o










「子盗り」 海月ルイ著と
「瑠璃でもなくハリでもなく」唯川恵著
2011.12.22



メキシコの旅の空で
読んできました2冊


子盗りは
まあなんと辛い話でしょうね
子孫を残すという女のお役目が脈々とながれていて
女は悲しいねと思うね
構成のバランバランさが
斬新にみえて
のめり込んでしまいましたひとりひとりのキャラが
まったく違うところが
いい
人の善悪がなんなのか?
いい人わるい人の境界線は
ときと場合によって
変わることがあるんだなとつくづく思ったわ


瑠璃でもなく~は、
愛ってないものねだり?的な隣の芝生感が分かりやすくて
楽しんで読んだ
ただ
解説ではべた褒めの男性キャラ
私は分からん
朔也には腹がたつし
(なにが不倫よお、プンプン)
石川が気配り抜群ですってぇ?
(軽いだけじゃん、軽井沢での台詞。僕たちもしかしたら違うところを見ていたのかもしれないな、ですってぇ!じゃあ、軽井沢なんかに女一泊で誘うなよ、この~、、、イヤ失礼、、)

思うのであります。



ま、それくらい
感情移入してしまったということかしら。
まだまだ大人になれないわたくしのようです



瞳  2011 12 22










「ZUCCA×ZUCA 1&2」 はるな檸檬著
2011.12.3



撮影合間に読みはじめてしまい
つい撮影を忘れて
ハハハと笑いながら
読みました(笑)
知る人ぞ知る隠された宝塚の楽しみ方
宝塚を愛してくださりありがとう!と言いたくなる私はナニモノ?
続編
バンバン書いてください!3も楽しみにしてます



瞳 2011 12 3










「放蕩記」 村山由佳著
2011.11.28



またまた
たまらない読み物を読んでしまいました
<アーメン>



本を閉じるとき
涙が止まらない
止まらない
夏帆の涙も夏帆自身がなんで泣くのか
分からなかったように
私の涙も分からない


でもでも
ホントはさ


夏帆もアタシも
答案用紙の答えが透けて見えるほど
分かっているんだよね
なんで
涙がでるのか
ってさ
ちょっとの間だけ
分からないふりをしてみただけ


私は
お母さんの立場で読み進めていたから
娘夏帆に腹が立つ腹が立つ腹が立つ


夏帆に向かって
「あなたにとっては親だけど、親だって一人の女なんだよ、こどもは親が宇宙の真ん中にいつもいてさぁ、うざいかもしれないけどさぁ、親にも、いろんなことがあって、やるせなくなるんだよ、分かるぅ?」



お説教したくなるくらい
小説なのに
小説の主人公に腹が立っていた
それと同時に
ああ
アタシも
娘に接するときは注意しなきゃいけないなと
相反する気持ちで
反省とかしてね
なんか
自分の中で娘になったり母になったり
行ったり来たりなわけよ
もう
なにこの小説、、
めんどくせ~
でも先知りて~


ってな感じで
読むの止まらない止まらない



読み進めていたら



最後は
やられた
やられた
正確に言うと
最後の4ページに
やられた



なんだろ
この
小説の力



母親と娘って
濃い血で
繋がっているのはDNA的に紛れもない事実なのにどこまでいっても平行線じゃん(なぜかため口)
平行線なのに
そこから逃れられない呪縛みたいなもんを背負ってんだよね、
交わっているようで交わっていない平行線のもどかしさみたいな?




自分の母親がいた頃の自分を思い出したよ
この本読んで


シチュエーションは違うけどね
でも
思い出させてくれてなんか嬉しかった


みんなそれぞれ
違うシチュエーションで母と娘やってるけど

分かっているようで
分かっていない母と娘
分かりたいけど
分かりたくない女同士
ここが根っこなんだよね
母と娘の微妙な関係


だから私自身も
覚悟して娘を育てなきゃいけないしね

娘も
私と縁あって私と出会ったんだから
母親を受け入れながら
娘には
ぜひ
青は藍より出でて藍よりも青しになってほしいな



そんな
さまざまな読後感に包まれながら
この本を閉じたのでアリマス


母の愛は
凄いのだぞ!
いなくなってなお
母親を求めるのだから娘は

母親とは
なんと慈愛に満ちているか

たまたまね
母の命日がおとといだったからかな
余計に
この本に出会えてよかったなと思った



この本を紹介してくれた我が親友に
乾杯
放蕩記おもしろかったよ
と教えてくれた親友
他に6、7冊くらい読んだけどあと全滅、とメールくれたおかげでね(笑)




瞳  2011  11 28










「スウィート・ヒアアフター」 よしもとばなな著
2011.11.26



ばななさんの本は
いつもそうだ
表紙を開いたときから
もう
物語が始まっている


一頁めの一行めを読んだらもうそこは
異国になっていて
あたたかいけどせつない景色が目の前に広がる



小夜子が
亡くなった彼のお母さんちに遊びにいったとき
お母さんの台詞で
ワタシは
いきなり涙腺がゆるんだ


「最高に悲しかったのは、あの日のトイレの中だ」

わかるわかる
痛いよね心が
恨むよねこの鮮血



「きっと私が生まれた朝も、あんな目でふたりは私を見ていたんだ」

ああ
なにもかもがどうでもよくなるくらい
的を得ていて
人を愛するとは
こういうことを言うのだ、と思う



「人と手をつなぐことに餓えていたの」


ぐっとくる
じんとくる
やるせない
景色がひとりぶんじゃなくなるなんて
ああ
極寒の中で食べるアツアツの小籠包みたいに
(あれ?調子にのり過ぎ?笑)



ばななさんの書く
言葉のひとつひとつに
生きる意味が隠されているような
体は無くなっても
生きている証しがみえてくるような

静かな中にも
魂のテレパシーが
心地よく描かれていて
せつない
せつないけど
あたたかい
そしてそれは
希望へとつながる



私事だけど
私もこの夏
大切な人を亡くし
まぶいを落とした
拾いたくても拾えなかったどうしても拾えなかった



仕事が多忙で
自分では普通に過ごしているつもりだったけど
あれは
ばななさんが書くところの
まぶいを落としていたんだなと
はっきり
分かる


拾ったのは
49日を境にだった
なんかこのままではいけないと感じたから
自分のことを感じたことが取り戻すきっかけだった



人はみんな
生と死を
いったりきたりしてるのかもしれないね


「私、こうして確かにここにいるんだもん」


小夜子が言った言葉で
心に灯りがともる


大事な人を亡くした人も
大事な人を置いて亡くなった人も
同じ悲しみを
耐え難い苦しみを
味わい

時間という汽車に乗り
みんな同じところへ
行くんだよね



偉そうなことは書けないけど
随分前に
私の母が亡くなったとき
五木寛之さんに
倶会一処(くえいっしょ)
という言葉を教えてもらったときのことを
思い出した


来世で
また会える
んですって




瞳  2011  11 26










「みんなの秘密」 林真理子著
2011.11.10



面白く読んだ
仕事でバタバタ忙しく
なかなかまとめて読めなくて
本を閉じるのが忍びない
でも仕方ない
やっと読める
また仕事始まる
みたいな調子

閉じて開いてを繰り返し
さっき読み終わり
すごく爽やか!
面白かった


2、3日前に読んだ二冊が
ホニャララだったので
ああ
すっきりした
ああ!面白かった!


内容は
愉快な話ではないが
人間の心の奥を盗み見みるようで
ヒヤヒヤ
そわそわ
ハラハラ
複雑な気持ちにもなるけど

けど!
小説はこうじゃなきゃ
ね!



平穏にみえて人それぞれ
なんらかしらを抱えている切り離せない過去
それにしても
登場人物たちのその後が知りたくなるのは私だけ?
あのあとどうなったんだろう
ってね


人の欠陥さえも愛すべき人に変えちゃう
作家の包容の力をビンビン感じ
のめり込んでしまいました


瞳  2011  11 10










「彼女がその名を知らない鳥たち」 沼田まほかる著
2011.10.30



なんやねん
なんやねん
なんやねん
これは
なんやねん!


沼田まほかるにハマってしまったこの秋
なんやねん
けっして読み手を裏切らないこの構成は
なんやねん


楽しくて嬉しくて堪らないってにやにやニタニタ顔で書いている(いや、打っている)作者の顔が見えるような
いや
産みの苦しみの中でモガきウナりながら書いているような

いやいや
前者としか思えない
読者を嘲笑い
期待させ
裏切り
そして放りだす
見事なまでのエンターティメント小説


なんやねん!
読んだアタシがアホやねん!
Mなアタシ、満足やねん!


瞳  2011  10 30










「くちぬい」 坂東眞砂子著 と 「プリズム」 百田尚樹著
2011.10.23



同時読み

車で読み
もひとつは寝室で読み
同日完読


坂東さんは
山姥のときから好きな作家だから
大切に大切にページをめくる
1週間くらい前から
ちょっとずつ読んでいるけど

あれよあれよという間に
私まで村の住人になっていく
最後は
え~こんな結末ぅ~?
え~?
意外な展開に
ドギモをぬかれ
え~!とつい声が出た


プリズムは
甘い恋の話
でも複雑な関係(笑)
ひとりの男性の中に
何人も人が住んでいる
もし私がそんな人を好きになったら
どうするんだろう
分からない
でも分からないから
小説を旅出来るのかもしれないね
ちょっと想像できない恋だな



さて
次は何を読もう
この間本屋さんに行って
たくさん買いだめしたから
私の本棚はいま
とても華やか
満足!



瞳  2011 10  23










「ユリゴコロ」 沼田まほかる著
2011.10.22



いやぁ恐るべし
沼田まほかるさま
一気読みで
秋の夜長が
夜短(みじか)に
なる


聞いたこともないような
感じたこともないような
初めて味あう時間
ラストはなんだか
ジンとくるし
なんか読後も
登場人物の
過去をなぞっている自分がいる
ひとつの謎は
おとうさんは自分の人生を狂わせた彼女を
どうやって許せたのだろうか

愛が
罪を許したんだろうか



娘がどんな本だった?
って私に聞くから
謎解きは子どもが眠ったあとで

答えた
むむ!
パクりな感じの答え方


13の娘と
この本の読後感を共有することは
まだ早いだろうな


読書の秋は
始まったばかり!
出足好調!



瞳  2011  10  22










「九月が永遠に続けば」 沼田まほかる著
2011.10.02



読書の秋です
なにを読んだらいいかなあと思ってらっしゃる方に


九月が永遠に続けば

おすすめいたしま~す


ホラーサスペンスだけど
骨太な物語なのに繊細なタッチ
怖いの苦手な方でも大丈夫だと思う
秋の夜長にはもってこいです


越智がさいごに放つ言葉
「君の精神は、まるで土の下で腐った球根みたいだ。ボロボロで、臭くて、何も生えてこない。僕はまずそのことを君に教えたい」

そして
「君は顔やスタイルのことばかり過敏で、自分のほんとうの醜さにはまったく気付いていない。みっともなくて惨めッたらしいのは、君の精神だ。そのせいで君の目はいつも不安そうにおどおどしていれし君の頬っぺたはカサカサして若々しい艶がない」


確かに。
精神は土の下の球根から
美しく花咲くものだと気づかされる。



そして
最後まで読んでも
理解出来ない元夫
雄一郎の精神


女の私には
到底分からないだろうけれど
分からないままいたいと思う
だって
男の気持ちが分かる女には
なりたくないし、ね

分からないから
男と女
奥が深いのだろうから



とはいうものの
同性でも理解不能なこともあるよね
ほんと人間関係は
一筋縄にはいかないもんですねえ


このあと
佐知子がどうなったのか?知りたくてたまらない
続編希望です!



読書ができるこの時間に感謝!また面白いのあったら、教えるね~


2011 10 2











「乱反射」 貫井徳郎著
2011.08.14



出口のない辛い物語だった

誰にでも起こりうる日常の中の犯罪(罪とは言いがたいが)
誰もが被害者にも加害者にも成り得る
自覚がないだけに
人はみな
善人のふりをしてどちらの側にも属していないと自負している
もっともらしい言い訳だけを振りかざして


人間の一番醜い部分を
こんな風にアカラサマに見せられると

ホントに辛い

自分もきっと例外ではないと思うから


それならせめて
美しい心を1日に一度でいいから思い描かなければと
思い直す



私だけは違うと思うことをよそう


 
傲慢な人
自分の価値観が正しいと声を大にしている人
自分は人より勝っていると信じている人
自分はとりえがないと思っている人
つまりは
自分中心にこの世は廻っていると信じ世界の中心にいる人

この本を読むべし


大切ななにかを教えてくれるよ


2011 8 14











映画 八日目の蝉
2011.05.04



すばらしかった
ハンカチ
口にもっていって
嗚咽をとめるの
たいへんなくらい



とにかく
女優陣
すばらしい
女優に乾杯!なくらいひとりひとりの女優が
すばらしかった



もちろん
小豆島も
景色をみたら
今すぐにでも小豆島にいきたくなった!24の瞳撮影で行った以来の小豆島の景色。
なんかもう
文句なしに
いい作品だわ!


2011  5  4











塔の上のラプンツェル
2011.04.18



ディズニー映画、塔の上の~を娘と見に行った。
もう新学期も始まったけど、春休みは、一緒に遊べなかったから。
今日は、母挽回の日。



まずは2人で電車に乗って百貨店へ。本屋さんへ行ったり、文具をみたりしてから。映画館へ。



実はアタシ、そんなに期待してなかったものだから、(娘が喜んでくれたらそれでいいなんて思って)
そしたら
どっこい、
最後は泣いちゃった。
愛と勇気の物語。ショコタンの声も最高!



「あたしは泣かなかったわ」
と言う娘をつい冷ややかに見つめてしまったアタシ。



綺麗な涙を流したあとは
てんぷらやさんへ。
キスのてんぷらが好きな娘。おかわりしてた!
ああ、いつか、
塔の上の~ラプンツェルのように、
娘も好きな人が現れるだろ~。



2011  4  18











「たぶらかし」 安田依央著
2011.02.15



楽しく読んだ
子どもの頃
ツツイヤスタカさんの小説を初めて読んで
ケラケラ笑いながら楽しんだときの記憶がヨミガエッタ


発想はユニークだし
テンポいいし
なんか情があるし


ところで、
「狂る」と書いて
「たぶる」

「たぶらかし」とは
「狂(くる)わせる」
という意味でいいのだろうか?

もともとのタイトルは
当て字のようでもあるけど。

誰か、
おせーて、おせーて(笑)



2011 2 15



箴箭さんからのメールを頂きました。
2011/02/16(Wed) 12:34

“カッテカッテ”の“おせーて、おせーて”に、
回答となるかどうかわかりませんが、私見を述べさせていただきます。
「狂る」と書いて「たぶる」とは、
「正気を失う(正気でなくなる)」「気が狂う(気がおかしくなる)」という意味ですが、
「狂(ふ)れる」の文語形になります。
通常、「たぶらかし」や「たぶらかす」は、「誑かす」という字を用いますが、
この場合は、「だまして惑わす」や「人をあざむく」という意味になりますから、
安田依央さんの著書「たぶらかし」は、主人公マキの「代役」稼業を字にあてはめますと、
本来の「誑かし」が妥当なのでしょうが・・・裏にある狂気やその後の展開などから
「狂る」の要素もからめて、ひらがなで「たぶらかし」としたのではないでしょうか・・・(笑)!?











「光媒の花」 道尾秀介著と
「嫌な女」 桂望実著
2011.02.06



まったく違う読後感のこの二冊、
いやぁ、感動した!
続けざまに感動する本に出会うなんてなかなかないのだが、

なんでかっていうと、
読書好きの親友がこの二冊を私の本棚に忍ばせておいてくれたからだ。
ニクい!



光媒~は
なんとも言えない恐怖をあとからあとから連れてくる、こんなにページをメクルのが怖かったのは、
当たり前の想像を越えた構成だったから。
いやぁ、
まいりました。
すばらしぃ。



嫌な~は、
気楽に読める読み物かと思いきや、
どっこい、
人生を生きるノウハウにまで話が広がり、
しまいには命の刹那、大切さ、
人のおかしさ、悲しさ、切なさまでも味わう、なんともイトオカシな読後感を味わった。

おかげで、
私は本を閉じる勇気(?)を失い、
徹夜するハメとなってしまったが、
気分は爽快!



私が、
なるほどぉ!と唸ったところふたつ、
書き出すね。


「仕事にやりがいを求めるのはエゴではないか。弁護士の仕事って、やりがいを求めてはいけない領域のものだと思っている。手は抜かず当たり前のことをする。それを積み重ねる。結果として、それが誰かを助けることになって感謝されるかもしれない。でも感謝されることを目的にしてはいけないし、期待してはいけないと思っている。救えると考えてはいけないと思う。救えないもの。ただベストを尽くすだけ」


・・・・・どの職業にも通じる奥深さがあるよね。そうなんだよね、とワタシに思わせる。



「ズルい人っていますでしょ、そういう人はなにをやってもダメだと思いますけど。ズルい人は、自分を守るために嘘をつくんです」


・・・・・そうですね。その通りです、とワタシは思う。



面白い本に出会ったあとは、すっごく得した気分、だから今日はいつもより、すっごく笑顔なのです。



2011  2  6











「KAGEROU」
2011.01.05




p6 で
いったい何?と思い

p21で
ハマりはじめ

p46で
ちょっと笑い

p76で
なかなかいいじゃんと思い

p84で
いいねぇ

p86で
いい いい フフフ

p93で
YES

p95で
次に進む力がみなぎり


あとは
最後まで一気読み!


なんか
私の心臓が自分の力で
ドクンと波打ち
私の心が自分の心で
チクリとした


(余談だけど。
ニノ君の表紙だったからサンデー毎日を読んだけど。基本褒めてあったんだけど。読書家には物足りないかも、って一行があって。
アタシ、
自称読書家だけど。
全然そんな感じじゃなかったナ。
拙いとか、
弱いとか、
そんなものはアタシにはあんまり必要なくて、
物語に意志があったら、アタシは好き。
当たり前な大切なもの、
どうしようもないやるせないことが、世の中にはあるんだという、哀しいもの、
そんなことを
改めて考えさせられたナ)

2011、1月5日











「18Q4(Ⅲ)のつづき」
2011.01.04




戻ってきてしまったんだ、1984に、


成田からの帰路
同じ首都高3号線を走りながら
私も1984に戻ってきてしまったんだと
青豆と同化している自分に驚いた



1Q84の最後の一ページめを名残惜しく
めくり
本を閉じた
首都高3号線の上で



ミッドナイトフライトだったもので
最後まで読めなくて
成田からの帰路に
読み終わった


この本につづき
があるなら
1休84とか?
1救84とか?
1牛84とか?


ぐうたらな世界
癒しの世界
牛が空に浮かぶ世界
(アハハ!)
つまんない空想をしながら

パートⅣが出版されることを心から願っているアタシである


心ゆくまで
奇妙な1Q84の世界を旅をした
楽しかった
思考思考の主人公たち
人はこれほどまでに
考える葦であると
思い出させてくれる



本の中だけで生きている主人公たちだけど
活字だけの存在だけど
本を開くと
青豆と天吾が悩み傷つき愛しあう
右往左往しながら
生きているのが
肌で感じる

それは確かに
間違いなく生きている

私にはそう思える


真実とはなにか?
今自分が見えている世界が本当の世界なのか?

うまくは言えないけど
当たり前のことを当たり前と思う前に
自分の心をじっくり知るのが大事なんだなと思う


活字という2次元が
三次元にも四次元にもなる

そんな読書の
余韻に浸りながら
続きを待つことにしよう



2011
1月4日











「悪人とお順と1Q84」
2011.01.02




悪人を読み
すっごい小説だなぁ
なんて思ってこのカッテカッテに感想を書いてから
どれくらい経っただろ


やはり
それは
予測した通り
映画化となった
偶然本屋さんで見つけた面白い小説が
映画になった
なんだか他人事と思えない


遅ればせながら
映画悪人をみることが出来たのは
空の上
至福の休暇
ジャカルタへ向かう飛行機の中だった


お順(下)と1Q84(Ⅲ)の入った
スーツケースを横目に
みながら
その前に迷わず映画を見ることにしたのは
ずっと多忙で
映画を見ることが出来なかったストレス解消かしら



映画は
原作を裏切らなかった
映画は
私をも裏切らなかった


被害者の父が
「あんた
大切な人はおるね」
と言ったとき
私の顔は
ボウダの涙でぐちゃぐちゃになった


そうなのだ
ここが一番スゴいところなのだ
この作品のどこが
私の琴線に触れたかを
私は
思い出した


ただの
悪人の話で終わらない
悪人はあくまでも悪人であり
ヒーローではない
(主人公なのに受身の役回りでエクスキューズがない)
(すごくいい)
(制作者たちが大事なことから目を反らしていない証拠だ)
そして
被害者家族のやるせないほどの憤りのやり場を
巧みに描いてある


そして
見終わったあとに
命の重さがドカンと私にのし掛かる
どんなつまらない女だろうが
尻軽だろうが
なんだろうが
賢い女だろうが
なんだろうが
人の命の尊さはみんな同じ
命は命
人一人の命の重さ
そして
親の愛
たまらない


空の上でも
涙の重さは
地上で流す重さと変わらない



そして
やっと読めたお順(下)
名古屋の舞台中に
(上)だけ読んで
早く続きが読みたかった


この本には
大切なことがたくさん書かれてある


「和して同ぜず」
お順が夫の仇打ちをほのめかしたときに
兄の勝海舟はお順にそう言った
怨まず争わず、しかし迎合しない



なるほど、
と私は頷く


つい惚れてしまった男に
自分を見失いそうになったお順に
海舟は
こうも言う
「政も同じだ。
カッとなったり、意地になったり、見栄を張ったり。心がどこにあるかつい忘れてしまう。だがナ、最後は心だヨ」



面倒見がよく、
己の言動にとことん責任をとるお順の優しさと潔さは
気持ちのいい読後感で
私を包む



自分の人生を
正しく生きようとしている人は
美しい



そしてそして
1Q84(Ⅲ)

本屋さんに並んで即日買ってから
ずっと
うちの本棚の孤独な宝だった


やっと読める
旅は私への最高のご褒美
読書というご褒美


なあんて私のことはどうでもいいよな!


バリのプールサイドで読み始めたワタシ
半分読んで本を閉じた!


面白すぎ!
読んでしまうのが勿体ない!
この本には
魔物が宿っているよ
本のサブリミナルだ
「オモロイオモロイ」
と魔物が囁く


ソフィの世界
に感じた私の拙い哲学
子どもの頃ムサボリ読んだコロボックルを思い出したり
私は
自分が不思議の国のアリスになっていることさえ
気づかない


だから
妙な感覚を覚えて本を閉じた


帰路の空で
読もう
宙にでも浮いていなければ
魔物と対峙出来ない


感想は
多分
寒い寒い東京に戻ってから

お楽しみに~


2011、1月2日











「言い訳と、新聞」
2009.06.25



何冊も何冊も、
新刊買いこんでる、アタシ。


でもすべて、
うちの本棚の、
未読本コーナーに並べられて、
私はタイトルを眺めているだけの日々です。


読書が出来ない欲求不満は、
私には、
ストレス。

だから、
ちょっとでも時間があると、

本屋へ行き、
本を買う。


ドラマの撮影で読書タイムが持てないストレス解消は、
本を買うこと、カナ。
なんてね。
コレって、
正常?



だから、ってワケじゃないけれど、
とりあえず、
このカッテカッテコーナーを再スタートするためには、
読まなきゃいけないんだけど、


読んでないから、

言い訳文章になっちまいましたわ。
ハハハ。



でも、
文章といえば、



この間、
友人が多忙な私のために、新聞の切り抜きを送ってくれました。


それさえ、なかなか読めなかったんだけれど、

ドラマ撮影の大詰めが終わって、
はたとバックの中を見たら、
その切り抜きがあったので、



読んでみたら、、、、



ちょっと、感動!


その切り抜きは、
桜庭一樹さんの、おそらく新刊刊行のための寄稿なんだろう、


「弱っていると、もう誰も信じられないし1人でいたいと思ってしまうことがある。
そんなとき、
けして裏切らないのは家族だけだ、
という人もいるだろう。
でもそれはーーー血縁、
つまりは自分自身しか信じられない、という卑小な自己愛だろう、とも思う。
人は、
他人をほんとうに受け入れることができなければ、生きていけない。
自分の力だけを信じ、
自分を大事に握りしめているだけでは、孤独の淵に沈んでしまう。
でも、
それは、
すごく難しいこと、だから、みんな、
さびしいのだ、、、、」
(一文抜粋)



なるほど!
と、
私は頷いた。

あまりにも言い得ていると思うから。


他人を受け入れることの大切さ。
自己愛に走る惨めさ。

痛感した次第。



勿論、
私は今、
家族愛のドラマを撮っていて、
人として、
大事な愛を演じてはいるけれど。

それもきちんと向かい合いながら、


他人を受け入れる大切な愛もあることを、

知らなければ、
人として成長しないんだと思った。



すっばらしぃ想いを、
読ませていただき、


、、、感動した!










舞台「赤坂大歌舞伎」も、
2008.09.18



たまらなく、
感激!


ヒトミィ感激!


勘三郎さんとは、
その昔そのまた昔、
わたしが宝塚を辞めて、
映画の役作りで銀座でホステスを一週間務めたときに、


当時まだ勘九郎さんだった頃の話ですが、


来てくださったお客様で、ご指名なんかもしていただいちゃったりしてね(笑)


あとで、
すみません、役作りで務めてましたぁ、なんて言ったときは、
大変、
叱られましたわ、、フフ、



でもまあ、いつ拝見させていただいても、
この満たされた気持ちになる舞台。


扇雀さんとの息もぴったりで、
笑いました笑いました。最高でした。
最高の舞台でした!










「モンスター」 浦沢直樹
2008.09.18



映画「20世紀少年」もさることながら、
「モンスター」にも、ハマってしまいました、私。


どこからこんな構想が生まれでてくるのか、

もう、脱帽です。


頭の中がきっと、
空想の海で、
いくらでも物語がわき出てくるのでしょうか、、、


ドイツやチェコプラハが舞台となり、行ったことのある街だけに、
街なみの風景にもリアリティーがあって楽しめた。
旅情さえ、
わき出る。



ドイツのお友達に、
送ってあげよう、モンスター。









映画「セックス・アンド・ザ・シティ 」
2008.09.11



女の友情は、
いいですね、
みんな自分の人生をちゃんと生きてるし、
自分を愛しているし、
キラキラしている。


恋に結婚に仕事に、女性たちがこんなに大真面目に前向きだなんて、
世の男たちは(とくにうちの夫は?フフ)
知っているかしら。


式当日のマリッジブルーのミスタービッグには、ちょっとゲンナリしたけど(笑)
そのあと旅に連れ出されたときの、キャリーの、
すっぴんシーンには、
グッときた。


恋をしていても、
結婚していても、
女友達は、大切、
友達がいないと、
私も生きていけないかも。

久々に、
大人の映画がみれて、
大満足!
映画のあと、
親友と飲んだお酒は、また、格別だったわ。

キャリーのファッションもとてもいいわ。










エイラシリーズ「マンモスハンター」
2008.08.01



上中下の三巻、
またまた一気読み。


エイラとジョンダラーの恋は、
じれったいやら、
やるせないやらで、
もう先を読みすすめるしかないでしょう、ってな感じで、
読み進みました。



でも、読みたい本が山積み、、
でも(笑)とりあえず、
マンモスハンターを完読。

非常に純真で、
非常に一途。


話、それるけど、
テレビドラマ「阿久悠物語」は夫婦でジックリ見て楽しませてもらった。
その中で、
阿久さんが、
言葉を大切に大切にしてらした信念がとても素敵だった。  
生前、人類の最大の発明は言葉、だとおっしゃっていたようです。



エイラとジョンダラーが生きていた、まさに紀元前三万五千年、
ネアンデルタール人は少しの言語しか持ってなく、
意思の疎通を手振りや身のこなしや態度で行っていたらしい。
その後のクロマニオン人は、
言葉を操れるようになったのだけれど、
エイラとジョンダラーにおいては、
言葉で気持ちがなかなか伝じ合えないのだ。


思考が先にくるから、
言葉にしたときにお互いの気持ちを伝え損ねているわけで、、、


だから、とても、アタシは、じれったくて仕方ないのだわ。



とはいうものの、
現代においても、
同じ言葉で話をしているにも関わらず、全く理解しあえていないことも多々ありますからね、

せめて、
人を傷つけないよう、
清らかな気持ちを持ち続けながら人と接したいと、
自分に言い聞かせているのですが。


言葉って、
誤解されることもあるしね、、、


あらあら、
なんだか、
話が脱線しすぎました(笑)。


よくあることなので、
ご勘弁を。



ホント、言葉って、
大切ですね。










エイラシリーズ「野生馬の谷」
2008.07.31



またまた、
あっという間に、
読んじゃいました。


ジョンダラーに会えて良かったエイラだけど、
なんだろ、
エイラって、
底知れぬ力があるから、


もう、読み進んでいくうちに、
ゾクゾクしちゃう。



男に、

時代に、

そして神に、

選ばれたエイラ、


まだまだ小説は続き、
私は寝不足の夏です。










古畑中学生TV もカッテカッテ
2008.07.20



再放送の正和さん古畑を堪能させていただいたあと、

古畑にんざぶろうの中学生時代のテレビドラマも観た。


心に止まったのは、
秀逸な台詞。
三谷さん本は、いつも心に刻まれる台詞に、
心、
ときめくのだけれど、
今回もご多分にもれず、
素敵な台詞にノックアウトされてしまった。



「上っ面にごまかされるな。
人は嘘をつくと思え。
まず疑ってかかる。
なぜ嘘をついたのかを探る。
真実はそこにある。
大事なのは、原因と結果。行動に惑わされるな。
心をよめ」


痺れました、アタシ。











「ケーブ・ベアの一族」 ジーン・アウル
2008.07.10



「エイラ-地上の旅人」シリーズの1と2を読んだ。



とにかく、寝不足。そして、面白い。
一気に二冊読み終えた。
途中で止められないから、凄く、困った。


どこまでも逞しいエイラ。
どこまでも意地悪なブラウド。
どこまでも優しいイーザ。どこまでも思慮深いクレブ。
どこまでもどこまでもどこまでも、、、、
どこまでも何かを貫く一族たちが、
紀元前3万5千年の時代を生きている。


子供の頃に学んだ、ネアンデルタール人、
クロマニオン人の話。
紀元前の事実って、
自分たちとは関係あるかもしれないけど、でも心のどこかで関係ないわと思っていた。
無縁の架空な話のような気がしていたし、

とらえどころがないし、
原始時代の話を真面目に考えてもなぁ、なんて考えていたし、私。


でも違うの。
きちんと紀元前の話を知ることが大事なことなんだって、
自分の遺伝子が訴えている感じ。物凄くわずかだけど。



この本は、
もしかしたら人類は、
ネアンデルタール人の遺伝子を持っている可能性があるという仮説のもとに、

エイラの命の輝きを通して、
物語が泉のごとく溢れでる。



エイラは、
未来の人類(まさに私達)への希望の原石だ。



物語の面白さもさることながら、
人間の本質は、暴力ではなく思いやりにあるという作者の思いがつまったこの本、
「エイラ-地上の旅人」シリーズ、まだまだ先に続いていくので(全13冊あるようだが)、
完読が楽しみだ。
 


涙ぐむ箇所、
情けない箇所、
喜びの箇所、
いろいろな箇所があり、
それが、ある意味、
人類の礎なんだろうなと思ったり、
ホントに、
考えさせられた。



「試練は、
自分がそれをできると知ることなのです」
エイラは言います。


素晴らしい本に出会い、
感謝します。


何に(笑)?
分からない。
何かに。


娘が大人になったら、
必ず読ませよう。











「陽気なギャングは地球を回す」 伊坂幸太郎
2008.07.03



本屋で手にとり、
面白そうだなと思って我が家に連れてこられたギャング~、
読み始めたら、
キャラクターがしっかり描かれてあり、

想像力倍増。

ここまで秀逸にキャラクターが書き込まれてあると、
映像にするのが面白いだろうななんて思いながら、最後まで一気読みしたら、
最後に、
もうすでに映像化になっていると書かれてあった。


続編「陽気なギャングの日常と襲撃」
も読んだ。
映像も見た。


映像は原作とイメージ少し違ったけど、
これもアリだな。











映画「ザ、マジックアワー」など
2008.07.01



大地真央さんと映画「マジックアワー」を観に行った。

ポップコーンとビール片手に、
二人でよく笑いました。


いやいやいや、
よく出来た作品。素晴らしい。どっからあんなふうに物語が生まれてくるんだろう。
三谷さんは、
天才です。
役者陣も適材適所、
心から楽しませてもらいました。


娘と観たのは、
「僕の彼女はサイボーグ」です。
ポップコーンを取り合うのも忘れるくらい、
観入ってしまった。クァク・ジェヨン監督作品とあって撮影の噂を聞き付けたときから楽しみに待っていた映画でした。

奇想天外な物語は、
クァク監督のワールドですね、、、

綾瀬さんがホントにサイボーグに見えてくるから、
素晴らしい。



友人とは、
「インディジョーンズ」を観に行きました。
ハリソンおじちゃまが頑張っている姿は、もう、最高!
おじちゃまは、ないですね。すみません。
心いくまで楽しませていただきました。
ここまでやれば、
もう、素晴らしすぎる。



同期生の真矢みきちゃんと京乃ちゃんと、
寺島進さんと観たのは、
宝塚「ミー&マイガール」。
みきちゃんにいたっては、
ご結婚とかで、
もうなによりなによりです。
いい女だから、
いい男どもがほっとかないだろうと思ってましたが、
さすが、
みきちゃん。

素敵な方と愛を育んでおられたのね。

心根の上質感、
器の大きさ、
そして三枚目、
これがみきちゃんの最大の武器だと勝手に思っている同期生の私です。


みんなで観た宝塚も、
さすが宝塚、
私の永遠の憧れです。


まだまだ、観ますよ、映画も舞台も。
日本は、
文化が充実していて、
素晴らしいと思う。











雑誌もいっちゃいます「東洋経済」
2008.06.20



最強の読書術がテーマの、
東洋経済を初めて買った。

読書が趣味な私は、
自分のペースで、
自分の好きな本を読んでいただけでしたが、
読書にもいろんなノウハウがあるんだと、この雑誌を読んで(まだ完読してないけど)
目鱗になっちまったぜぃ!
って感じです(笑)


勝間和代さんの、
読書はフレームワークを意識する、メモはとらない、線引きもしない
(私はバリバリ線引き派のしかもドッグイア派なんですが、、、)

記憶の定着は読んだ内容を実践することで体にメモしてる、
と、
おっしゃっている。


爪の垢を煎じて飲みたい、、、



佐藤優さんにおいても、またもや、目鱗。
目的意識のない人は、読書術など必要ない、楽しく本を読んどれ!と、言い放つ。
私に言われたみたいで、
ごめんなさい、
と、言っちまったぜぃ(笑)

今、興味を持ち始めた速読術の話や、親の本好きが子供にどう影響するか?などの、
親としては興味ある話題も満載。


手元に置いて、繰り返し、読んでます。

友人に、
今週号の東洋経済面白いから買ったら?とメールしたら、
これから買いに行くところだったわ、
と返信がきた。
さすが、
本好きは、
ぬかりないなぁ、、、











「、、、」、、、
「禁断のパンダ」 拓未司
「舞台もカッテカッテ」
「インディペンデントな生き方」 勝間和代
「親指の恋人」 石田衣良
「スシ王子」と「舞妓Haaaan」
再度「龍は眠る」 宮部みゆき
「エディットピアフ」
映画もついでに、カッテカッテ。「善き人のためのソナタ」
「龍は眠る」 宮部みゆき
「魔術はささやく」 宮部みゆき
「流星の絆」 東野圭吾
「静かな爆弾」 吉田修一
「三人だけの山村留学」 中山聖子
「黒髪」 谷村志穂
「ラジオキラー」 セバスチャン・フィツェック
「、、、、、、、、」 、、、、、、、、
「八日目の蝉」 角田光代
「三人だけの山村留学」 中山聖子
「赤」と「私の男」 桜庭一樹
「悪人」 吉田修一










私の趣味は読書です。
少し前までは、趣味が読書です、と言うことに抵抗がありました。
だって、本を読むことは誰もがやっていることでしょうし、
あえて、趣味です、と声にして言うほどのことでもないような
気がしていたからです。
でも仕事以外で、時間を忘れて没頭できる楽しみといえば、
読書以外には思いあたりません。

そんな環境のなか、私が初めて本を読んだのは、
小学校一年のときです。
学校の図書館でみつけた『母をたずねて』という小説でした。
働きに出たまま消息を絶ってしまった母親を捜すために、
マルコ少年は旅に出ます。
イタリアという遠い国で生まれたマルコは、
アルゼンチンのおじさんのところへ行くのです。
でも、もうそこに母親はいません。
それでも小さな手がかりを胸に、
母親を捜し求めるマルコ少年です。
幼い私は、どんな辛いことにあっても負けない強いマルコ、
一度何かを始めたら最後までつらぬき通す立派なマルコ、
そして母親思いの優しいマルコに、
何度も何度も涙をこぼしました。
『母をたずねて』という本に出会ってからというもの、
私は読書の楽しみを知ってしまいました。
本を読む、という行為は、見て知るテレビよりも
ずっと想像を逞しくさせてくれます。七歳のその日まで、
本の楽しみ方を知らずに過ごしてきたことも
功の奏したのかもしれません。
それ以来、私は学校の図書館の本を、
端から端まで読みました………。(母の言い訳より抜粋)



このコーナーがなんでカッテカッテかと言いますと…



私は、
海外に行くとき、たくさんの小説を持って行きます。
飛行機の中で、
そして、自分のベッドじゃない違う匂いのするホテルのベッドで、
ほろ酔い加減にも似た時差に支配された体で、
ページをめくる感触がたまらなく好きです。

例えば、
ボストンで読んだ"ソフィーの世界"は、
ソフィーの世界を思い出すとボストンの街が、
ダブルーツリーホテルの灰色のベッドがともによみがえります。
旅と読書は、
私にとって切り離せないものとなっているようです。

勿論、
東京でも読みます。
車中で、
我が家のベッドで、
読みます。
読み終わると、、友人に読んだ感想なんかをメールするときもあります。
読後感を自分一人の心の中に閉じ込めておけないからなのでしょうか、ネ!

いつまで続くか分からない新コーナー。…(フフフ)
勝手に感想言っちゃいます、ということで、
私の勝手な勝手な感想文コーナー、
これまで読んだ本も
たくさんあるけれど、
2008.1.15から。
名付けて、
「カッテ、カッテ」
始めます。





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